公開日:2017年03月22日

B008-2 薬剤総合評価調整管理料

消え去った原稿思い出しながらまた書きたいと思います・・・・

 

さて最近は来年度の診療報酬の話が早くもあちらこちらで話題になってきていますね。たとえばこんな話とか(

da vinci用いた腎部分摘出術やPED法でのヘルニア治療など、診療報酬の引き上げを―外保連  

http://www.medwatch.jp/?p=12816)、そんな話とか(中医協が2018診療報酬改定に向け各論の議論をスタート http://techon.nikkeibp.co.jp/atcl/feature/15/327421/022200033/?ST=health)、急性期から慢性期まで色んな分野で来年度にむけての議論がすすんできています。さてそんな議論が活発な診療報酬ですが、当院の診療報酬がらみでの話を一つ・・・・・えぇ、実は2016年度の改定で算定できるようになった管理料、この1年間全く算定していなかったことを医療事務の子が気が付いて先日教えてくれたんです・・・・

皆さん<B008-2 薬剤総合評価調整管理料>ってご存知でしょうか。

↓以下詳細↓

1 入院中の患者以外の患者であって、6種類以上の内服薬(特に規定するものを 除く。)が処方されていたものについて、当該処方の内容を総合的に評価及び調 整し、当該患者に処方する内服薬が2種類以上減少した場合に、月1回に限り所 定点数を算定する。

2 処方の内容の調整に当たって、別の保険医療機関又は保険薬局に対して、照会 又は情報提供を行った場合、連携管理加算として、50点を所定点数に加算する。 ただし、連携管理加算を算定した場合において、区分番号B009に掲げる診療 情報提供料(Ⅰ)(当該別の保険医療機関に対して患者の紹介を行った場合に限る。) は同一日には算定できない。

通知

(1) 薬剤総合評価調整管理料は、内服を開始して4週間以上経過した内服薬が6種類以上処 方されている入院中の患者以外の患者に対して、複数の薬剤の投与により期待される効果 と副作用の可能性等について、当該患者の病状及び生活状況等に伴う服薬アドヒアランス の変動等について十分に考慮した上で、総合的に評価を行い、処方内容を検討した結果、 処方される内服薬が減少した場合について評価したものである。

(2) 薬剤総合評価調整管理料は、当該保険医療機関で処方された内服薬の種類数が2種類以 上減少し、その状態が4週間以上継続すると見込まれる場合に算定する。ただし、他の保 険医療機関から投薬を受けていた患者については、当該保険医療機関及び当該他の保険医 療機関で処方された内服薬を合計した種類数から2種類以上減少した場合については、区分番号「A250」に掲げる薬剤総合評価調整加算と合わせて、1か所の保険医療機関に 限り算定できることとする。この場合には当該他の保険医療機関名及び各保険医療機関に おける調整前後の薬剤の種類数を診療報酬明細書の摘要欄に記載すること。

(3) 連携管理加算は、処方内容の総合調整に当たって、薬効の類似した処方又は相互作用を 有する処方等について、患者が受診する他の保険医療機関又は保険薬局に照会を行った場 合及び当該他の保険医療機関等からの情報提供を受けて、処方内容の調整又は評価を行い、 その結果について当該他の保険医療機関等に情報提供を行った場合に算定する。

(4) 受診時において当該患者が処方されている内服薬のうち、頓服薬については内服薬の種 類数から除外する。また、服用を開始して4週間以内の薬剤については、調整前の内服薬 の種類数から除外する。

(5) 当該管理料の算定における内服薬の種類数の計算に当たっては、錠剤、カプセル剤、散 剤、顆粒剤及び液剤については、1銘柄ごとに1種類として計算する。

(6) 医師が内服薬を調整するに当たっては、評価した内容や調整の要点を診療録に記載する。

(7) 当該保険医療機関で区分番号「A250」に掲げる薬剤総合評価調整加算又は薬剤総合 評価調整管理料を1年以内に算定した場合においては、前回の算定に当たって減少した後 の内服薬の種類数から更に2種類以上減少しているときに限り新たに算定することができ る。

 

 

まあ簡単に要約すると服薬している薬から2種類減薬したら主治医として管理料とれますよってことらしいんですが・・・・・うーん、この1年間この管理料に全く気がつかないでバンバン薬を減薬していました。まあ減薬自体はポリファーマシー対策で大体紹介あった患者さんの初回の時とかに考えるんですが・・・・・診療報酬って診療所や病院で算定できるものをきちんと算定して請求する必要があるのでこんな感じで気が付かないで1年もたつとそれだけで請求できた金額はCAD何台分かになっていたんじゃないかと思います。(涙涙)まあ結局何がいいたいかっていうと診療報酬の制度、できるだけ簡素にしてくださいねっていいたいんです・・・・・皆さんはどう考えますか?(算定忘れた方が悪いって言うのはなしでお願いします・・・・・)

 

さて本日の医療ニュースはこちらです。このMRICの記事・・・・・ためになりますね。在宅医療でも医療者の手洗いや保清、きちんとしているのか襟を正す時代かも知れませんね。(自分は少しこの記事みて反省しました。振り返って心掛け変えたいと思います・・・・)

MRICより http://medg.jp/mt/?p=7416

Vol.058 人のフリ見て我がフリ直せ ~きざみのりによるノロウイルス集団食中毒から学ぶこと

ナビタスクリニック新宿
濱木珠恵

2017年3月16日 MRIC by 医療ガバナンス学会 発行  http://medg.jp

2月下旬、立川市の学校給食でノロの食中毒が発生した。私の所属するナビタスクリニックはエキュート立川にも所在しており、小児科では胃腸炎の患者さんがあふれていたという。
原因はきざみのりについたノロウイルス。年間の食中毒の約半数はノロウイルスが原因であり、その約7割は11-2月に発生する。きざみのり製造の下請け加工業者が素手で海苔を扱っていたと報じられ、SNSでは一時期かなり話題になっていた。食品加工の会社で素手で作業を行っていたことはずさんとしか言えないし、ましてや、経営者には一時期、胃腸炎らしき自覚症状もあり、加工場のあちこちからノロウイルスが検出されたという。食中毒というと生ものからの感染というイメージがあるようで、湿り気のある食べ物からの感染する思われるかもしれないが、乾物からも検出されるという報告が出ており{ Food Environ Virol. 2012 Sep:4(3):89-92 }、今回のように海苔から検出されることは、遅かれ早かれ、十分おこりえる事態だった。
通常、購入してきたきざみのりを自宅で加熱して食することはありえないので、ノロウイルスが製造過程で付着してしまっては給食センターや一般家庭では予防できなくなってしまう。業者が責任を問われてもしかたないだろう。
だが、誰かをバッシングしているだけでは、私たちはそこから何の教訓も学ぶことはできない。今回の事例は、ノロウイルスの流行時期における一般市民のノロウィルス感染予防への意識を問いなおすことになるのではないだろうか。

ノロウイルスは、乾燥や熱に強いうえ自然環境下でも長期生存する。感染力が強いため、少量のウイルスでも感染し発症しやすい。感染経路としてわかりやすいのは汚染された食べ物をたべて感染する「経口感染」だが、ヒトの手を介した「二次感染」も忘れてはいけない感染経路である。
感染者の吐いたものや便には大量のウイルスが存在する。そのため排便時や汚物の処理時に手にウイルスが付着し、その手から水道の蛇口や洗い場が汚染され、間接的に他の人への汚染が広がってしまう。そして手についたウイルスをきちんと洗い落とさないままにつくった料理を誰かが食べることによって、さらに感染が広がってしまう。この感染経路に無頓着な人が多いのではないだろうか。

そこで、手洗いの重要性をいま一度、問いたい。
手袋をして食品を扱ったとしても、手洗いが不十分で手指にノロウイルスがついた状態だと、やはり食品を汚染してしまうという報告がある( http://aem.asm.org/content/80/17/5403.long )。基本は手洗いなのだ。しかし、子どもの頃から、感染予防に手洗いとうがいと言われつつも、大人になってきちんとした手洗いができている人はどれくらいいるのだろう。
商業施設のトイレに入った時、他のお客さんの手洗いを見ながら、洗っている時間が短すぎてマズいんじゃないかと感じることはよくある。丁寧に洗っている人もいるけれど、一方で、手を濡らしただけで終わってしまう人も見かける。それではまったく洗ったうちに入らない。小ぎれいな格好した女性にもそういう洗い方をする人がいるのだから、人は見かけによらない。ちなみに男性のトイレは覗いたことがないので手洗いの状況はわからない。
ノロウイルスの集団発生後に施設内のふきとり検査をしたら、トイレのドアノブや手すりよりも、便座が一番ウイルス量が多かったという事例もある。商業施設では定期的に清掃が入っているとはいえ、洋式トイレが普及し、便座の利用率が高いのであるから、もう少していねいに手洗いすることを心がけてくれてもよいのではないだろうか。
世の中の手洗いに対する認識なんておそらくそんな程度なのかもしれない。
そういえば、総合病院勤務時代に、女医がろくに手洗いせずに医局の近くのトイレから出ていくのを見たことがある。病棟で見かけたときにはそれなりにきちんと手洗いしていたようだったが日常生活ではかなり大雑把な人だったようだ。私自身、手洗いを徹底しなければならない職業だったので手洗いという行為に意識を向けているが、そうでなければ、どのように洗っていたのだろう。

きざみのりの加工業者には食中毒をひきおこした責任はある。だが、私たちは、あの老人を”バッシング”できるのか。
きちんと手洗いのできているものだけが石を投げよ、っていう話だ。
そろそろノロウイルスの流行は下火になる。次の流行期が来る前に、適切な手洗い方法は世間一般に普及しているのだろうか。

※参考動画:ノロウイルス等の食中毒防止のための適切な手洗い(厚生労働省)