公開日:2015年07月30日

ALSの患者さんへのラジカット適応、在宅での点滴に関してなど

先日中医協でALSの患者さんへのラジカット投与の適応が追加されました、皆さん知っていますか?

昨日病院でラジカットを訪問診療で行いたいという患者さんに会いに行ってきました。退院後当院で点滴も含め在宅加療をしてほしいとのこと、カンファレンスで今後の治療についてお話してきました。これから札幌で通院が難しいALSの患者さんにも訪問診療と看護をうまく利用してもらい自宅での点滴加療を受けてもらいたいなと考えています。

ただ保険請求に関して、国保の保険者さんにきいたんですがピンとくる返答がありませんでした。処方箋にのせていいことも知らないようでしたので自分たちできちんと処方箋にのせてよいことを確認するために中医協からの資料を確認しました。以下にあげますので皆さんも確認してみてください。

ラジカット以外にも原則在宅では処方箋にのせることができる薬剤は自己管理、自己注射ができるものと限定されています。が場合により抗生剤やその他諸々の薬剤も保険請求できることがあるようですし当院でも行うことはあります。具体的に薬剤や方法を知って臨床に参考にしたい医療者の方などいましたら当院の経験をお伝えしますので気軽に連絡ください。

2016年2月2日追記:他にも記事を追加していますので参考にしてください。

http://www.imai-hcc.com/archives/1994 

http://www.imai-hcc.com/archives/1806

札幌市内でのALSの方のラジカットの相談もぼちぼち増えていますがまだ対応可能です。またケアマネやSWもいますので在宅療養全般についても相談にのります。気軽にご連絡くださいね。

 

 

中央社会保険医療協議会 総会299回 議事次第 http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000089575.html より

保険医が投与できる注射薬について http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12404000-Hokenkyoku-Iryouka/0000089569.pdf

 

保険医が投薬することができる注射薬(処方せんを交付することができる注射薬)の対象薬剤の追加について
第1.対象薬剤の現状
患者が在宅で使用する注射薬については、療養上必要な事項について適切な注意及び指導を行った上で、保険医が投薬することができる注射薬(処方せんを交付することができる注射薬)として、定められている(参考)。
例)インスリン製剤
在宅中心静脈栄養法用輸液
自己連続携行式腹膜潅流用潅流液
インターフェロンアルファ製剤
インターフェロンベータ製剤
アダリムマブ製剤 等

第2.対象薬剤の追加
1 エダラボン製剤については、筋萎縮性側索硬化症(ALS)における機能障害の進行抑制に有効であるが、外来に通院して投与し続けることは困難な者等もいると考えられるため、保険医が投薬できる注射薬に加えることとする。
<エダラボン製剤>
【販売名】
ラジカット注30mg、ラジカット点滴静注バッグ30mg
【効能又は効果】
筋萎縮性側索硬化症(ALS)における機能障害の進行抑制
【用法及び用量】
通常、成人に1回2管(エダラボンとして60mg)を適当量の生理食塩液等で用事希釈し、60分かけて1日1回点滴静注を行う。
通常、本剤投与期と休薬期を組み合わせた28日間を1クールとし、これを繰り返す。第1クールは14日間連日投与する投与期の後14日間休薬し、第2クール以降は14日間のうち10日間投与する投与期の後14日間休薬する。
【薬理作用】
フリーラジカルの発生を抑制し、運動ニューロンを酸化ストレスから保護する
ことで病態の進行を遅延させる。
【主な副作用】
急性腎不全、肝機能障害、血小板減少、播種性血管内凝固症候群 等
【承認状況】
平成27年6月中薬事承認予定(一部変更)