公開日:2018年08月05日

在宅でできる限りの緩和ケアを受けたいと考えるなら早期から訪問看護師を利用すべき

こんにちは、札幌の在宅緩和ケア医@今井です。

在宅緩和ケアの目的のために当院に相談にくる患者さんやご家族がいらっしゃいますが、中にはまだ歩けて特に問題も感じていないため「診療はしてほしいけれど看護師さんに来てもらうのはまだ早いです」っておっしゃる方、結構おられます。

ただそんな時に自分からは「元気なうちから訪問看護師さんにみてもらうのは大事なことですよ」って言ってできる限り訪問看護を頻度少なくとも(月2回~)利用するように説明することが多いです。

なぜ在宅でできる限りの緩和ケアを受けたいと考えるなら早期から訪問看護師を利用すべきなのでしょうか?以下にその理由を書いてみたいと思います。

1元気な状態をできるだけ長く保つため

これは言わなくてもわかるかと思いますが意外に認識していない方多いです。病状を保つためのアドバイスって結構色々あるんですよ?

薬の服用方法、リハビリの仕方、栄養の取り方と工夫の仕方、熱発時の対応等々・・・医師がいなくてもここらへんは訪問看護師さんが色々知恵をだしてくれます。

元気な状態をできるだけ長く保ちやりたいことをする、週1回程度の訪問看護で実現するなら悪くないんじゃないでしょうかね?

2訪問看護師も体調悪化してから開始するより、元々見知った患者さんの方が病状変化しても対応しやすいため

これは医療者側の都合ですが訪問看護師さんも信頼関係のできている方への対応と、初回で信頼関係を構築しながら病状に対応していかなければいけない方への対応は全然違います。

見知っている患者さんならその人の普段の体調がどうなのか、どう考えてどうしたいのかをよく理解していますが、そうでなければ病状変化への対応も遅くなりがちです。

体調変化した時に入院せずにできるだけ自宅で過ごしたいなら訪問看護師さんを早期から利用していきましょう。

3体調変化時に診療のみでは対応できないため

これもそうですね。在宅緩和受けている人の体調変化って夜間や土日に多いような気がします。!(^^)!当然診療でまずは対応しますが、がくっとADLが落ちた場合は色々準備しなければいけないこと、対応しなければいけないことが多々あります。

それを診療のみで対応できのか?正直難しいです。

さらに体調変化時には病気の患者さんや家族って不安感が強くなるものです。そんな時に見知った、何でも話しあえる看護師さんがいてくれたら力強いですよね。

体調変化時に安心して過ごしたいなら早期から訪問看護、絶対導入しておいた方がいいと思います。

4よくできる訪問看護師さんは医師とは違う視点でアドバイスをしてくれるため

当然ですが看護師さんの視点は医師とは全く異なります。

医師=医療の視点、ですが(もちろんこの部分は個々のDrが違いますが)

看護師=医療と生活の両方の視点、をもっていることが多いです。

医療上の相談は医師とたくさんしてもらい、その他の生活のこと、何気ないことは看護師さんにつぶやいてみると思いもかけないアドバイスもらえることきっとあると思いますよ。

5金額もそんなに高くないため

医療保険での訪問看護であればかりに月2回であれば1割負担で1500円程度、3割でも5000円いかないくらいです。保険として考えても決して高くないと思います。さらに診療所からの訪問看護(当院はしていますが)であればもっと安いです。(月2で1100円くらいかな)

さらにもし診察の方で高額療養費の対象となるようであれば訪問看護の金額も対象となるため多く入れた方が得になる、っていうこともあります。(ここらへんは制度に詳しい在宅医やMSWに聞いてみてください)

実質自己負担0で利用できるかもしれませんし、最低月2回でも金額的にはそんなに高くないと思いますよ。

 

 

と早期から訪問看護を利用することについて少し書きましたが、どうしてかというと訪問看護の利用がなくて入院せざるをえなくなった方がちらほら最近いらしたので・・・・・現在訪問看護利用するか迷っている方いましたら在宅医や診療所の医師の言葉を信じて一度利用してみてはいかがでしょうか?ご検討してみてくださいね。

 

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