公開日:2018年05月28日

抗認知症薬は本当に患者のためになっているのか?クリニックに通院させるための手段となっていないか?

こんにちは、札幌のかかりつけ医&在宅医@今井です。

毎日新聞の記事で興味深い記事がありました。

抗認知症薬 85歳以上に 日本、高い処方率 副作用増すリスクも

国内で認知症の症状進行を抑える抗認知症薬が85歳以上の高齢者人口の2割に使用されているとする調査結果を、医療経済研究機構のチームが国際老年精神医学雑誌で発表した。認知症患者は国内で約500万人いると推計されているが、詳しい処方実態が明らかになったのは初めて。年齢と共に副作用のリスクも増えるため、チームは学会のガイドライン(指針)の推奨度を見直し、使用を控えるよう求めている。

 チームは、国のレセプト(診療報酬明細書)情報・特定健診等情報データベースを使用し、2015年4月からの1年間に抗認知症薬が処方された173万3916人分のデータを分析した。その結果、人口当たりの年間処方率は年齢と共に高くなり、85歳以上の高齢者で17%。また、年間総処方量の47%が85歳以上の患者だった。

 海外での同様の調査は少ないが、ドイツでは85歳以上の認知症患者の2割にとどまり、日本の処方率の高さが際立っている。背景には日本神経学会が診療に関する指針でアルツハイマー病患者に処方するよう強く勧めていることが考えられるが、同学会の指針は85歳未満の患者が中心のエビデンス(科学的根拠)に基づいており、85歳以上のエビデンスに乏しい。チームの奥村泰之・東京都医学総合研究所主席研究員(臨床疫学)は「85歳以上の利用者が多い臨床現場と、エビデンスとの年齢層が異なり、薬の効果は未知数。加齢による副作用のリスク増大も懸念されるため、国内の学会指針の推奨度を弱めたり、強く推奨する年齢層を限定したりする必要がある」と指摘する。【河内敏康】

 

 

土日の普通のクリニックがやっていない日に外来診療すると色んなクリニックの処方や治療方針みることができます。その中で気になるものの中の一つに精神科クリニックや脳神経外科クリニックで安易にだされている抗認知症薬があります。

患者さんや家族に聞いても「MMSE?HDS?20点くらいだからだされた」とか「家族の介護が大変で介護負担減らした方がいいよって言われて8○歳だけどメマリー飲んでます」とか「脳梗塞後で高次脳機能障害が残ったから認知症の薬飲んでます」とか・・・・・

これって患者さんや家族のための処方ではなくて、クリニックの外来に定期通院してもらうための処方じゃないですかね?って思うことが度々あります。(まぁメンタルの処方はもっとすごいのも沢山ありますが・・・)

そんな土日の外来で認知症薬の薬の相談されることありますが、基本的には出している先生の考えも知らずに必要ないよねって言う事は失礼なのであんまり声を大きくしてはいえないですが、抗認知症薬、本当にもっと症例を限定して処方すべきと思います。

薬出す以外にも大事な事って認知症患者さんの治療では沢山あると思いますが・・・・早く抗認知症薬の適正使用ガイドラインが実際の実臨床に即して規定されることを期待したいと思います。

皆さんの周りではどうでしょうか?

 

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