公開日:2018年05月14日

【地域枠医師について考える】卒後9年縛られるのは正直奨学金の対価としては厳しすぎますね・・・

こんにちは、札幌のかかりつけ医&在宅医@今井です。

地域枠医師についてニュースがありました。以下道新から

「地域枠医師」北大生応募ゼロ 勤務に不安? 道、締め切り延長

地域医療を担う医師を養成する「地域枠医師制度」で、道が新たに北大医学部に配分した奨学生5人分に対する応募が、3月末の締め切り時点でゼロだった。道は、地方勤務に不安を抱く北大の学生が多いとみて、制度の周知を図りながら、6月上旬まで締め切りを延ばして募集を続ける。

 制度は、医学生に授業料や生活費として6年間で約1200万円を貸与。卒業後は9年間の道内勤務と、このうち5年間を知事が指定する医師不足地域の医療機関で勤務すれば、返還が免除される。2008年度に札幌医大、09年度に旭川医大で始まった。

 昨年度までの1学年の定員は札医大15人、旭医大17人の計32人。しかし、旭医大は「将来の医師供給が過剰になる」として、本年度から定員を12人に削減。道は、減った5人分を急きょ北大に引き受けてもらい、今春の医学部新入生102人を対象に募集をかけたものの、応募はなかった。

 一方、旭医大は12人の定員に21人の応募があり、面談による選考も終了した。現状では、旭医大に希望者がいるにもかかわらず、北大の枠は空いたまま。それでも道は「旭医大側が定員削減を決めた以上、北大の5人分を再び戻すことはできない」と話す。

 札医大は、入学者から募る北大、旭医大と異なり、入試の段階で地域枠の希望者を募っており、定員は充足している。

 北大で応募がなかった理由について、道は学内で先例がなく、相談できる相手が少ないためではと分析。札医大、旭医大と比べ、研究者志向の学生が多い北大ならではの要因もあるとみられる。

ということで旭川医大が定員削減を決めた枠を北大に持って行ったようですが、結局応募者は0・・・・この北大生の判断、自分は正しいと思います。その理由は以下の3点で

9年間の間の行動が制限されるのは厳しい

正直医師になって9年間、自分のやりたい事やできる事などが変わらない医師なんてほぼいないです。何をしたくてもある程度の制限を受けた中で選択せざるを得ないなんて正直自分の将来を安く切り売りしているだけで絶対厳しい条件だと感じます。

医療の変化が未知数

AIの活用、オンライン診療、地域包括ケアや在宅医療の変化などなど大きな変化が現在起きています。この変化は今後年々加速することこそあれ遅くなることは絶対ないでしょう。

地域でも諸々経験することはできますがどうしたって情報量が少なく、かつ医療の変化も遅いのは否定できません。

気がついたら先端医療からだだ遅れで浦島太郎状態・・・・ってことが起きる可能性は十分あります。

正直地域がどうなっているのかわからない

地域枠で僻地で勤務することって正直その地域があることが前提条件ですよね?現在地域枠で学生の人が医師になるのって6年後とかだとすると・・・・えぇ、地域での医療の在り方そのものが大きく変化している可能性が高いかと思います。限界自治体って予想よりも早くその限界を示してくると思いますよ。正直3年後でさえ予想が難しいのに、6年後、さらにその先の9年間なんて絶対予測不可能です。

 

 

と言う訳で以上3点から地域枠への応募はやめた方がいいかと思います。何より自由に選択肢をもてないってことはすごい制限だと思いますね。

地域枠を考えている学生の皆さん、たかだがお金のために将来の時間や自分を縛らない方が絶対いいですよ!あとで後悔するのは目に見えますね。

皆さんはどう考えますか?

 

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