公開日:2018年02月06日

レビー小体型認知症の症状と診断、治療、医療機関の選び方について

こんにちは、札幌の認知症外来&在宅診療医@今井です。

さて認知症の患者さんについてブログで何回か書いていますが在宅や外来で診ていて多いのは血管性認知症やアルツハイマー型認知症の方に続いてこのレビー小体型認知症の方も結構いらっしゃいます。

レビー小体型認知症の特徴ってなに?と聞かれると

1パーキンソン様の小刻み歩行、仮面様顔貌、手足の震戦などの症状がみられる。当初はパーキンだと診断して加療していたが途中から幻視などの症状が出現する方もいます。オーバーラップする事もあります。

2幻視が特徴的。初期には症状が変動し受け答えが問題ないこともあり幻視だけで問題が表出化しないこともあり得ます。

3排便異常や発汗障害などの自律神経症状を伴うことあり。

4女性より男性の認知症の方が多い

5問診で大体診断をつけることができる

などでしょうか。

診断はつけることができたとしてもレビー小体型認知症の方の治療と介護、ここの部分は結構大変です。

今井が考えるレビーの方の医療上、介護上の特有の問題点としては

介護への拒否が強い

訪問系のサービス導入に苦慮する、特に導入したとしてもリハと看護どちらも対応していかなければいけないため介入ができる人が限られる

転倒リスクが高く実際転倒する、その割には居室の環境整備に拒否的なことが多い

排便管理に難渋する、便秘続くと不穏となり家族が疲弊する

デイやショートは拒否的、さらに行くと幻視やせん妄などの症状が悪化することがある

などがあげられます。

アリセプトの少量投与、微量調整、抗パーキンソン病薬の調整なども行いますが中々外来や投薬だけでは治療、介護的な問題の解決が完結しないのが現状です。患者さんやご家族の方がレビー小体型認知症を治療する医療機関を選ぶ時は必ず在宅医療に精通している(訪問看護を駆使できる)、もしくは在宅医療や往診対応している医療機関を探すべきです

 

如何でしょうか?認知症の20%を占めると言われるレビー小体型認知症、皆さんが思っているよりかなりありふれた病気です。もし疑ったら相談できる医療機関、早めに見つけてくださいね~

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