公開日:2018年01月29日

日本の病院や診療所に欠けている<患者視点の医療>について

そもそも医療って誰のためにあるんだろう?最近外来や在宅で色々な患者さんを診察しているとこの言葉を何度も思い出します。

専門分化によりいくつもの科や病院を回らなければいけなくなる患者さん

何か問題があると「それはこちらの科ではありませんね」という対応

治療と言えば薬となってしまい結局複数科からの投薬で1回で10錠近い服薬となってしまい薬を飲むのを断念する患者さん

起きている時間が8時間しかない高齢者への3回の投薬

緩和ケアが必要ですね、といって治療終了後すぐに緩和ケア専門の病院に紹介する特定機能病院

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これらの患者さんや家族からのヒアリングは大きな気づきを自分に与えてくれます。現実の専門医制度の問題点、高齢者医療のありかたについて、生活と医療を両方考える視点の欠如、それこそダブルケアの家族への支援の少なさというのもその一つかも知れません。とにかくガイドラインを盾に個別性をあまりにも考慮しない医療が特に目につくような気がします。

 

これから少子高齢化が進む中で現場はどんどん忙しくなりこそすれ楽にはなっていかないでしょう。ともすれば何のための医療で誰のための医療だっけ?ということにならないように、きちんと目的意識をもって仕事をしていくことが重要ですね。診察室のその場だけでなく生活まで含めた広い意味での患者さんの視点にたった医療を行っていきたいと改めて考えています。

 

 

 

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