こんにちは、在宅医療の中では往診ってポピュラーにされている診療ですが、一般の方にとってはあまり馴染みのない言葉、システムだと思います。

うまく利用するととても快適に自宅で過ごすこともできるため、きちんと<往診>という診療行為を理解しておくことは高齢者を介護されている家族の方や患者さん自身にとっても大変有意義だと思います。

往診という医療行為について、在宅医として、一般の皆さんが理解しやすいようにまとめてみましたので是非この機会に確認しましょう。

 

往診について


①往診とは何か

往診とは簡単に言うと通院が困難な患者さんに対して医師が患者さんの自宅まで訪問し診療すること、と定義されています。ということで基本的には通院が困難ということが大前提です。

では何をもって通院困難とするのか???これは各医師の裁量に任せるということになっていますが、大きく分けて身体的な理由と社会的な理由の二つに分類することが可能です。

身体的な理由での通院困難は例えば以下のようなものが当てはまります。下肢の筋力低下が元々あって、かつ発熱などで体力低下し動けない、であったり認知症があって通院を拒否、なども理由となりますね。ADLが車椅子の方などもその適応となるでしょう。

社会的な理由としては通院の手段がない患者さんも往診の対応となります。(原則ある程度ADLが低下していることが必要です。しゃきしゃき歩ける方はやっぱり通院ですよね)アパートの4階に住んでいていつもは動けるけれど体調不良で会談から降りられない、介助者がおらず通院ができない、といった理由でも可能です。

 

②訪問診療との違いとは

在宅医療が普及している昨今では皆様の周りでも医師がご自宅に来ているという話を隣近所や親せきの方から聞いたことがあるのではないでしょうか?訪問診療とは「治療計画を予め決めて、その計画に沿って定期的にご自宅を訪問し診療すること」を言い、往診とは「急な体調変化があった時に患者さんの要望に応じて診察に伺うこと」を言います。

基本的には医師が自宅に赴くという行為自体にはかわりないのですが、計画していくのかそうでないかの違いと考えてもらえればと思います。

 

③往診にかかる費用は?

ここでは初診の患者さんが当院に依頼した場合を想定して話します。

普段医師にあまりかかっていない方が体調不良で通院が難しく往診を依頼する場合、診療所としては以下の保険点数を算定します。

初診料(282点)+往診料(720点)+その他の検査や点滴代など

となります。

大体血液検査が諸々含め500点くらい、点滴は+αと考えて

大体1500点+α  と思って下さい。これは3割負担の人では4500円~、1割負担の人では1500円~の金額です。

いかがでしょうか?これ以外では休日であったり夜間であったり早朝であったりしたら加算もつくこともあるのですが、一般的には上記の金額かと思います。

④往診で対応できることは

実際の往診で対応できることは採血と点滴、物によりますが吸入などの対応となると思います。風邪やインフルエンザ、気管支炎、肺炎や膀胱炎、関節炎などの疾患が対応になるかと思います。比較的軽度から中程度の疾患が対象です。

逆に極度の腹痛や胸痛の訴え、けいれん発作や意識障害などの重度の疾患が危惧される場合は普通であれば往診ではなく搬送が望ましい対応かと思われます。

 

⑤往診する医師、診療所はどうやって探すのか

これが一番難しい問題ですが、

普通の診療所の医師はまず往診しません

在宅医療をしている診療所の医師であっても突然頼んでしてくれるところは少ないでしょう。(殆どの診療所が定期訪問している患者さんのみ往診対応可としているはずです)札幌でも初診の患者さんの往診対応はまずしてくれるところはないかな・・・理由はいくつかあって

  • 医師が忙しい
  • 医師自体が何も検査や機械がない場所での診察をあまりしたことがない
  • 定期訪問している患者さんと違って普段の状態がわからないから判断が難しい
  • 病状変化の可能性があるため医師としてもリスクが高い
  • 医師だけでは完結せず訪問看護師の対応も必要となる場合もあり、その場合は結構手配に手間がかかる

などが挙げられます。

もし可能性があるのならば普段かかっているかかりつけの先生がお願いすればしてくれるかもしれませんので相談してみるのも手かと思います。またどうしても探したいって言う人はケアマネや訪問看護さんに相談してみるのも手でしょう。あとは地域の在宅に力を入れている病院に相談してみるなどなど・・・・・すみません、ここは本当に難しいので地域によりケースバイケースです。

 

 

最後です

<当院の往診について>

当院は通院が難しい状態の患者さんに積極的に往診しています。

理由は色々ありますが

  • これからの時代は定期訪問している患者さん以外でも地域にたくさん通院できない患者さんがでてくるであると考えているからそれに対応することが地域医療では必須になると考えているから
  • 在宅医療の経験がある程度豊富ですのでどこまでの病態なら自宅で対応していけるか、それとも入院がベストなのかもある程度は相談できる
  • 外来からでも訪問看護ができる
  • どうしても対応難しければすぐに入院を相談できる医療機関とも連携している

などが挙げられます。体調不良で通院が難しい状態になった時には気軽に当院にご連絡ください。できる限りの対応はしますので!!

 



いかがでしょうか?皆さんがこの記事を読むときはおそらく体調不良である、もしくはご家族がその状態になって困っている場合かと思います。少しでも役に立ってもらえればと思います。

何か聞きたいことある方はお気軽にクリニックまでご連絡ください。

 

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