公開日:2017年12月28日

最期まで自宅で過ごすことができますよ、一緒に頑張りませんか

朝の7時前のクリニックはこんな感じとなっています・・・・・

こんにちは、皆さんこの時期は連日遅くまで訪問診療や往診、訪問看護などが入っているとは思いますが、道路かなり滑りますで注意して事故のないようにしていきましょう。

さて昨日はとある癌の患者さんの御家族と今後の治療方針について話してきました。病状の変化についてではどの程度の予後が見込まれるのか、家族の方の介護負担について、できる医療や介護のサービスについて、本人の意向はどうなのか、入院した場合どうなるのか、などなど・・・・

腰痛持ちの奥さんとしては入院したとしても毎日見舞いに行くし、やっぱり預けっぱなしでは心配ですと・・・何より本人に話を聞くと「最後までできる限り自宅で過ごしたい」とのことでした。

在宅医療者にとって重要なことは医療や介護のサービスを提供するのみでなく(というかそれが最低限のラインですが)患者さんや家族を最期まで自宅で過ごすことができますよ、一緒に頑張りませんかって励ましてあげることもすごい大事じゃないかと考えています。

これまで経過で中途半端な気持ちで入院してしまって結局最期まで自宅に帰って来れなかった患者さんみてきていますが、経験上そのような患者さんやご家族の方は大抵後悔していることが多いです。かたや多少大変でも自宅で最期までみてあげた御家族の方、9割以上は自宅でみてあげてよかったっておっしゃっているのではないでしょうか?在宅医療関係者の皆さんもそう思いませんか?

 

ということでこの患者さん家族には

「自宅でできる範囲の医療でいいのではないですか?」

「看護師やヘルパーさんにケアはまかせっきりにしたっていいんですよ、何もしなくってもいいんです」

「いざとなれば息子さんに介護休暇とってもらってもいいんですよ」

「お父さんが自分で設計して建てたこの家で最後まで過ごすことが、亡くなるのがベストではないですか?」

等々お伝えしてきました。(それでも入院希望するならもちろん手配はします・・・)

 

個人的には在宅医療者は入院か在宅か、と悩む家族がいたときには、単純にA or Bといった選択を迫るのではなく、自宅にいていいんだよってcheer upしてあげることが重要ではないかと思います。悩む家族の背中を一押ししてあげられるような医師、看護師、MSWが札幌で徐々にでも増えていけばいいですね・・・・

 

さて本日の気になる医療記事はこちらです。在宅医療やこれからの慢性期医療についての日本慢性期医療協会の資料ですが、スライド内容の一部がとてもインパクトがある文言、内容かなと個人的に感じましたのでここに提示してみますね。是非一読ください。

日慢協より

定例記者会見 2017年(平成29年)12月14日 資料 から一部のみ抜粋

 

 

ただ少しケチをつけるなら「介護医療院で看取るべきである」ではなくて「自宅で看取れるようにするべきである」と書いてほしかったのが個人的には少し残念なところでした・・・・・


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