公開日:2017年08月02日

地域枠医師の削減

子供の世話は大変ですね・・・・・

 

こんにちは、これまでも医師過剰について心配して色々ブログで書いてきましたが(http://www.imai-hcc.com/archives/2830 とか http://www.imai-hcc.com/archives/5206 などなど)今回この内容関連のニュースが道新に載っていましたので少しだけ引用してみたいと思います。

北海道新聞より

医師不足の地方困惑 旭医大地域枠5減へ https://www.hokkaido-np.co.jp/article/123119?rct=n_medical

旭川医大が、地方の医師不足対策の切り札である「地域枠医師」制度の定員を来年度から、各年度17人から12人に削減する方針を決めた。地方の医師不足が叫ばれる中、地域医療の担い手として役割が期待される同大の突然の“縮小宣言”。吉田晃敏学長は「医師が余る時代が来る」ことを理由に挙げるが、道内では医師の地域偏在は依然として解消されておらず、自治体関係者や専門家からは反発や疑問の声が相次いだ。

■「なすすべない」

「定員5減と聞き、力が抜けた。地域の大学に医師を供給してもらえなければ、僕らにはなすすべがない」。オホーツク管内遠軽町の佐々木修一町長はそう語る。

同町の遠軽厚生病院は遠軽・紋別地域の中核病院だが、2016年8月まで1年近く産婦人科常勤医が不在で、出産受け入れを中止するなど、常に医師確保に頭を悩ませてきた。同町など周辺3町は首都圏のJR列車に中づり広告を出し、全国の医療機関の医師に勧誘の手紙を送るなどのPRを続けている。「地域では、中核病院さえも医師は足りない。医師が過剰になるとは思えない」と語る。

上川管内和寒町の奥山盛町長も「町立病院は、札幌や旭川からの医師派遣がなければ当直体制を維持することもままならない。こんな状況で、どうして地域枠を減らすのか」と嘆く。

旭医大は09年に地域枠医師制度を導入、国から同制度対象分として17人の定員増を暫定的に認められている。増員措置は当面続けられる見込みだが、旭医大の吉田学長は「このペースで増やせば、将来医師が余る時代が来る。今から対応しないとならない」と指摘する。

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という内容ですがこの記事をみて皆さんはどう思いますか?自分は地域枠の引き締めはいずれ来るとは思っていましたが予想より早く大学が対応に動いたので少しびっくりしています。札医もこれを受けてどうするんでしょうかね?

基本的にこの問題、医療者と地域の人の希望が乖離しているのが現実です。医療者=地域での勤務が現状ではキャリアパス上プラスになると感じられない、家族の問題がある、医療実施上のリスクがある(都会と同じレベルの医療を求められても各科全てで同じことをすることは難しい)などが問題になっています。逆に地域の人としては地域でも各専門科がいて医療が完結してほしい、医療レベルは都会と同じレベルで、との想いがあるのも理解できます。

この問題、1大学レベルで考えるよりは、道として地域医療をどう考えていくのか道内3大学と道の医療政策の担当課とかできちんと議論し道民に説明すべきだと思いますが・・・どうなるでしょうか?基本的には自分は地域には総合診療医、専門医は比較的大きな都市に集約という方針は変えるべきではないと思いますが、地域の人がそれで納得するでしょうか・・・難しい問題ですね。

 

ということで気になる記事あれば再度更新したいと思います・・・・