公開日:2017年01月27日

在宅医療が必要な患者さんが当院に紹介になった場合の対応について

あっという間に1月も終わりそうですね・・・

 

こんにちは、今日は在宅医療が必要な患者さんが当院に紹介になった場合、どのように医師やSWが対応しているのか簡単に紹介したいと思います。

当院に患者さん紹介してもらった場合、病院からであろうがケアマネさんであろうが訪問看護からであろうが、まずは3人のSWのうちだれか1人が担当となるところから始まります。その上で紹介元からその方の医療面での現状や困っていることの確認、生活面での問題点の共有、必要なサービスが導入されているか、金銭面の問題や家族の方の支援状況等々多方向からの情報を確認します。

その後ある程度情報がそろい、この患者さんは訪問診療が必要だ!と判断されたところで朝の医局会にて医師と診療同行の看護師さんに患者さんのブリーフィングをしてもらっています。その場では再度多方面から問題点の抽出と基本的な診療方針をある程度相談、その後初診の日程調整となります。この過程の中で、訪問診療の適応ではなさそうな人は通院を継続してもらうように紹介元にお願いしたり、訪問診療ではなく生活支援のために訪問看護の介入をまずは進め、その後医療面でのニーズが上がったときに診療を導入すべきと判断することもあったりします。ただできる限り困難症例や行政が困っているような患者さんなどは積極的に診察するようにしています。

このプロセスの良い点は①必要な情報をきちんと収集、評価できる②診療所内の医師や看護師、SWなどの医療者の共通理解が図れる、などがありますが逆に欠点としてはどうしても患者さんの受け入れの判断に時間がかかることとなっています。なので当院では即日に診療の可否を判断しなければいけない癌の患者さんなど、時間がない患者さんに限ってはいる医者の判断ですぐに受け入れの判断を行うようにしています。その後SWから紹介元に連絡、退院時カンファや外来カンファ、もしくはSWによる事前面談などを経て診療となります。

こんな感じで大体すすみますが、皆さんのクリニックやステーションでは新規の患者さんの受け入れ、どのようにしているのでしょうか?色々なやり方、多分あるかと思いますが当院の方法が参考になればと思います。

 

 

さて本日の医療面のニュースはかかりつけ医の制度についてです。大病院受診時の定額自己負担はもう導入されているので皆さん良く知っていると思いますが(かかりつけ医からの紹介状ないと原則自己負担が実費でかかる)、このかかりつけ医制度、あと2,3年でさらに診療所レベルまでそうなるのはまず間違いありません。(えぇ、かかりつけクリニック以外のクリニックは気軽に受診できなくなりますよ)実質的なフリーアクセスの制限が既に議論になり、その後形(制度)になった場合、市中のクリニックはどうなるでしょうか・・・・・皆さんはそのようなこと予想できていますか?

↓↓一応資料は以下の通り、図をみてみてください。

第103回社会保障審議会医療保険部会資料 資料1-2 「経済・財政再生計画 改革工程表」等に係る平成28年末検討期限の事項への対応について より http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12601000-Seisakutoukatsukan-Sanjikanshitsu_Shakaihoshoutantou/0000149602.pdf

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この中で特に2枚目中断の「かかりつけ医以外を受診した場合の定額~」が絶対この2,3年後には制度化されると思います。その時に必要とされるクリニックってどんなクリニックだと思いますか?医療の本質は変わらないですが制度の変遷は必ずどの時代でもくるのでそれに対応しつつ地域に密着したクリニックとなっていきたいですね。

 

午後は雨がやむといいですね・・・